「寂しい」と「淋しい」
「寂しい」と「淋しい」
どちらも読み方は(さびしい/さみしい)
漢字を見ると
「寂」は「叔」と「家」からなり、家の中の人の声が細く小さくなった様子。
「淋」は「林」と「水」からなり、絶え間なく水の滴る様子。
のようです。ではその使い分けは?
「寂しい」・・・客観的なさびしさ、物静かな様子、景色が荒れている様子
「淋しい」・・・主観的なさみしさ、泣けてくるような自分の気持ち
恋人が離れてさびしいときには「淋しい」を使うのが涙も連想していいのかも。
それじゃ、(さびしい)と(さみしい)の違いは?
(さびしい)には二つの意味があるらしい。
①心に隙間があってそれが満たされない気持ち(感情的)
②物音や人の気配がなくひっそりとした状況(客観的)
①の場合には(さみしい)も使えるが、②の場合たとえば「さびしい街並み」のような場合には(さみしい)は使いにくいです。
小説家に言わせると、女性が恋人を恋焦がれているときの表現としては「あの人がいなくて淋しい。」より「あの人がいなくてさみしい。」のほうがしっくりくるとか。
「漢字」から(ひらがな)を作り出した日本人。その(ひらがな)に漢字を超える表現力があるというのは、これまた日本文化の奥深いところなのかも知れません。
ちなみに、現在の新聞や公文書、学校などでは、「淋しい」は常用漢字表にはないため、すべて「寂しい」が用いられるようです。
つづく