「たくさん」と「いっぱい」のちがい?
「たくさん」も「いっぱい」も何か物の数や量がたくさんあるイメージですが、何が違うのでしょうか。
たとえば
〇「たくさんの人でごったがえす。」
〇「たくさんの本を読む。」 ×「いっぱいの本を読む。」
〇「お腹がいっぱいだ。」 ×「お腹がたくさんだ。」
〇「お酒はもうたくさんです。」 ×「お酒はもういっぱいです。」
〇「両手いっぱいのお菓子」 ×「両手たくさんのお菓子」
どうも使い方に違いがありそうです。
「たくさん」ははっきりした前提はなく感覚的に多い様子。
「いっぱい」は何か容器か器のようなものを前提にして使っているような。
こう考えると前の例文の違いがなんとなく納得できそうな。
たとえば野球の試合で
「野球ドームいっぱいのお客さん」と「野球ドームにたくさんのお客さん」では
前文は観客で満席かそれに近い状態。後は観客はたくさん来たけれど満席でないかもしれないし、主催者がそう思っているだけかもしれないですね。
なんとなくご理解いただけましたか。
また「いっぱい」には容器が充満するという以外に
「今夜いっぱい(一杯)やろうぜ。」(飲酒の勧誘)
「これで精いっぱいだ。」(限度であるさま)
「この仕事は今月いっぱいかかります。」(所要時間)
「あいつにいっぱくわされた。」(欺く)
などがあります。
日本語を母語とする人たちはこの違いを無意識のうちに判断して使ってますが日本語を第2言語として学ぶ人たちには難しいことでしょうね。
まわりに
「3と5はどちらがいっぱいか?」
とか「新幹線と飛行機の利用料金はどちらがいっぱいか?」なんて使う外国の人がいそうですね。
きょうはここまで。
(おれ女房に向かって)「もっといっぱい小遣いがほしい。」
(女房)「わかった、財布出しなさい。10円玉で財布いっぱいにしてあげるから。」
(おれ)「???」