日の丸は何色?
今日は色の話です。
日本の国旗日の丸は白色と何色かご存知ですか?
「赤色(あかいろ)」ですか、いや違います。「紅色(べにいろ)」です。
1999年(平成11年)に制定された「国旗・国家法」によると国旗は
「縦横比(じゅうおうひ)を2対3、縦の長さの5分の3を直径とした円(日章、日輪)を描き、白地に紅色の日章とする。」が正式です。
ちなみに「白」は神聖、純潔を表し、「紅」は博愛、活力を表します。
「紅色(べにいろ)」とは紅花(べにばな)の汁で染めた鮮やかな赤色のことです。
紅花(べにばな)はキク科ベニバナ属の花で、原産はエジプトですが紀元4~5世紀ころに日本に来ました。平安時代まえから衣(ころも)を赤く染める染料として使われてきました。
紅花(べにばな)は毎年6~7月ころに黄色い花が咲きます。花の色素が99%が黄色の色素(しきそ)のためです。この花を収穫して乾燥し、何度も水にさらすことにより黄色の色素が水に溶けだし、残ったたった1%の赤色の色素が染物(そめもの)の原料となりました。先人の知恵はすごい!
あまりに手間ひまがかかるため、紅色の衣(ころも)を着ることができたのは身分の高い人だけだったようです。
神社の巫女が赤色のはかまを身に着けるのも関係があるのかも知れません。
またこの高価な「紅」は女性の口紅ともなりました。貝殻(かいがら)の中に塗布(とふ)された紅を小指ですいて唇にぬるしぐさは男心をくすぐったことでしょう。
源平合戦の壇ノ浦(だんのうら)の戦いで、源氏が掲げた旗は白地に赤の現在の日の丸で、一方の平家が掲げていたのは、赤地に白の日の丸でした。
もし、源平合戦で平家が勝っていれば、日本の国旗は赤地に白の日の丸になっていたかもしれないのです。おもしろいですね。
「赤」だけでも
「紅色(べにいろ)」・・あざやかな赤色
「紅赤(べにあか)」・・わずかに紫みを含んだ鮮やかな赤色
「紅緋(べにひ)」・・冴えた黄みの赤色
「金赤(きんあか)」・・あざやかな黄赤
などの種類ががあります。
ちなみに、日本航空の鶴のマークは「金赤」に近い「猩々緋(しょうじょうひ)」だそうです。(赤みの強い赤紫色(あかむらさきいろ))
赤色を見ただけでもいろいろな赤があります。これは日本の色彩文化の優れていることをあらわしていると私は思います。また色に対する日本人の繊細(せんさい)さとも言えるのかも知れません。
今日はこの辺で。
(女房が何気なくそばを通る)今日の口紅は濃いな?
(女房流し目)ぞくっ!今夜が怖い!