morinokobito77’s blog

「漢字」と「かな」の面白さ

蕎麦屋のかんばん

今日は「仮名(かな)」のはなし。

仮名文字の成り立ちなんかを話してたら夜があけてしまうので、今日はその中の「変体仮名」についてちょっと。へんたいと言ってもムチとか蝋燭(ろうそく)は使わないのでご安心を。

ところで、下の写真は蕎麦(そば)通にはつい涎(よだれ)が出てきそうな看板ですよね。

当然、この看板には「そばや」と書いてあると思うのですがどんな字かわかりますか?

どんな漢字だとおもいますか。

実は、これは漢字ではなく「仮名」です。それも「変体仮名」で「生そば」と書かれているのです。

とても「そば」とは読めないでしょう。それは現代の日本人が小学校で「ひらがな」を47字しか習っていないからです。

そもそも「仮名」ができたのが奈良時代のころ、平安時代には「仮名」で「源氏物語絵巻」などの作品も作られてます。このころには「ひらがな」は約300字くらいあったと言われてます。江戸時代の和学者春登上人はその書「万葉字格」で「かな」は973字あったと書いてます。

「仮名」が漢字から生まれたことは誰でも知っていることですが、いま我々が知っている「そ」という「仮名」は漢字の「曽」からできています。しかし以前にはいろいろな漢字からできた「SO(表記できないのでローマ字にしました。)」という「仮名」があり使っていたのです。

明治33年に政府は仮名字体を一字に統一して学校教育を始めました。「いろは47字」です。そしてこの47字以外の使えなくなった「仮名」を「変体仮名」と呼ぶのです。

それでもこの「変体仮名」は看板、商標、作品名などとしてまだ残っています。

 

話を戻しましょう。この蕎麦やの看板の「そば」の「仮名」は

「そ」は漢字の「楚」からできた「仮名」です。

また「ば」は漢字の「者」からできた「仮名」に濁点を打ったものです。

ご理解いただけましたか?

 

ところで、きょうは蕎麦でも食いたいな。

(奥に向かって) 「今日は蕎麦にしてくれよ~」

(返事) 「わたしゃあなたの傍(そば)がいい。」(飯ぬき)

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