morinokobito77’s blog

「漢字」と「かな」の面白さ

「たくさん」と「いっぱい」のちがい?

「たくさん」も「いっぱい」も何か物の数や量がたくさんあるイメージですが、何が違うのでしょうか。

たとえば

〇「たくさんの人でごったがえす。」

〇「たくさんの本を読む。」 ×「いっぱいの本を読む。」

〇「お腹がいっぱいだ。」 ×「お腹がたくさんだ。」

〇「お酒はもうたくさんです。」 ×「お酒はもういっぱいです。」

〇「両手いっぱいのお菓子」 ×「両手たくさんのお菓子」

 

どうも使い方に違いがありそうです。

「たくさん」ははっきりした前提はなく感覚的に多い様子。

「いっぱい」は何か容器か器のようなものを前提にして使っているような。

こう考えると前の例文の違いがなんとなく納得できそうな。

たとえば野球の試合で

「野球ドームいっぱいのお客さん」と「野球ドームにたくさんのお客さん」では

前文は観客で満席かそれに近い状態。後は観客はたくさん来たけれど満席でないかもしれないし、主催者がそう思っているだけかもしれないですね。

 

なんとなくご理解いただけましたか。

 

また「いっぱい」には容器が充満するという以外に

「今夜いっぱい(一杯)やろうぜ。」(飲酒の勧誘)

「これで精いっぱいだ。」(限度であるさま)

「この仕事は今月いっぱいかかります。」(所要時間)

「あいつにいっぱくわされた。」(欺く)

などがあります。

日本語を母語とする人たちはこの違いを無意識のうちに判断して使ってますが日本語を第2言語として学ぶ人たちには難しいことでしょうね。

まわりに

「3と5はどちらがいっぱいか?」

とか「新幹線と飛行機の利用料金はどちらがいっぱいか?」なんて使う外国の人がいそうですね。

きょうはここまで。

 

 

(おれ女房に向かって)「もっといっぱい小遣いがほしい。」

(女房)「わかった、財布出しなさい。10円玉で財布いっぱいにしてあげるから。」

(おれ)「???」

 

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「鵲」てどんな鳥?

七夕についてもう少し。

古来より七夕の夜は織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が一年に一度会える夜です。

織姫はこと座の星「ベガ」、彦星はわし座の「アルタイ」です。たまには夜空を見上げてこの2つの星をさがして見ませんか。

 

まず、夜の9時ころ南東の空を見上げてください。頭の上を見上げるようなところに明るく輝く星がすぐ見つかります。それが織姫の星「ベガ」です。その下をよく見るとかすかに明るい星の帯「天の川」が見つかります。その川の下に明るい彦星「アルタイ」が見つかるでしょう。

 

ついでに、「ベガ」と「アルタイ」を結んでこれを一辺として三角形を書きます。するとこの二つの星の左の天の川の中にもうひとつ明るい星があります。これが白鳥座の「デネブ」です。これが「夏の大三角形」といわれるものです。

 

ところで、織姫と彦星はどうやって天の川を渡るかご存知ですか?

天帝が二人を合わせるため天の川に橋をかけてあげるのです。この橋を渡って逢うのです。どんな橋をかけるかというと。「かささぎ」という鳥のつばさを連ねて橋を作るのです。

 

ここまでくれば表題の「「鵲」てどんな鳥?」がお解かりになったと思います。

そうです。「鵲」は「かささぎ」という鳥です。中国では吉兆の鳥として結婚式などには良縁の象徴とか。

日本では多くが九州地方と北海道、新潟、長野の一部で繁殖が確認されてます。

最後にこの橋を渡るのは織姫、彦星?さてこれはあなたが考えてください。

 

 

(女房がいそいそと出かけそうな様子)

(おれ)「どこに行くんだ?」

(女房)「学校のPTA会よ。」

(胸にカササギのブローチ、濃い目の化粧)

(おれ)「????」

 

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「宇宙」(うちゅう)

もうすぐ7月、七夕が近づいてきました。この日になると普段は夜空を見上げたことのない人もつい織姫、彦星のいる天の川を探してネオンで明るい東京の空を探してしまいます。

「宇宙」という漢字は小学生にあがる前の子供でも知っているくらいです。最近の親は自分の子供に珍しい名前をつけたがるから「宇宙」という名前を持った子供もいるかも知れません。(読み方:そら、かなた、こすも、せかい・・)

それでは、「宇宙」という言葉はいつごろからあるかというと、紀元前の中国の春秋時代のころから使われているらしいです。

前漢武帝のころの思想書「准南子(えなんし)」に

「往古来今(おうこらいこん)これを宙といい、四方上下これを宇という。」つまり時間と空間をあわせた全世界のことなのです。

 

日本では「日本書紀」に「スサノオノミコト乱暴すぎて宇宙を追い出された。」との記述があるそうです。

江戸時代にも仏教用語の「世界」と漢語由来の「宇宙」は同じような意味で使われていたようです。

明治に西洋文明がはいってきてやっと現在の科学技術用語としての「宇宙」が確立していったものらしいです。

 

ではその「宇宙」の広さの一端を

たとえば、太陽系の広さ。もし後楽園にある野球の東京ドーム(約110メートルの球)を太陽の大きさをとすると

水星・・品川にある40センチの球

金星・・大井町にある95センチの球

地球・・大森にある100センチの球

火星・・川崎にある50センチの球

木星・・平塚にある11メートルの球

土星・・富士山にある9メートルの球

となるそうです。これ以外はまったく何もない空間です。いかに宇宙は広いかがわかります。

宇宙の話のつづきはまた次の機会に、きょうはこのへんで。

 

 

(ある晩、そっと出かけようとするおれに)

   女房「あんたどこへいくの?」

   おれ「ちょっと宇宙にいってくら。」

   女房?????

注釈:どうもこの男はキャバレーの天井で回っているミラーボールを「宇宙」と認識しているらしい。

 

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蜃気楼(しんきろう)と蛤(はまぐり)

富山湾などによくでる蜃気楼(しんきろう)。原因は空気の逆転層を通る光の屈折がなせる業らしい。

同じ蜃気楼でも3種類あるという。

 上位蜃気楼・・水平線の下の物体が上に見える。

 下位蜃気楼・・浮き上がって見える。浮島現象、砂漠の蜃気楼。

 側方蜃気楼・・横に同じものが見える。八代湾の不知火(しらぬい)

 

それではなぜこれらの現象を「蜃気楼」と言うかと言えば「蜃気楼」の「蜃」の字はもとももと「おお蛤(はまぐり)」のことらしい。

中国には昔から、蜃(おお蛤)があくびをするとその吐いた気から空中に楼閣などの幻を作り出すと信じられていた。それでこのような現象を「蜃気楼」と呼んだというわけ。

 

ところで「蜃(おおはまぐり)」も「蛤(はまぐり)」も貝なのになぜ「虫」編なの??

そういえば「虫」編のつく生き物は

「蛇(へび)」「蛙(かえる)」「蠍(さそり)」「蟹(かに)」「蜆(しじみ)」・・・などなど

いっぱいある。なぜ?

それは、昔から中国では動物を外見で大きく「鳥」「獣」「魚」の3つに分け、そのどれにも当てはまらない動物を「虫」と呼んでいたので「虫」編のつく生き物ができた。

 

ちなみに下の者をさげすんで言うときに使う日本語の「むしけら」もここからきているものと考えられる。

しかし、動物でもないものに「虫」編がつくものもある。雨上がりの空に出る「虹(にじ)」??。この話はまた次の機会に。

 

 

(女房)おまえさん、今晩は「赤貝」と「蛤」どっちがいい?

(おれ)さいきん腹いっぱいだからもう結構!

(女房)????

 

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漢字「湯桶読み」

日本の漢字には「音読み」と「訓読み」の二通りがあるます。またその読み方が混ざった場合もあり、そのときには「重箱読み」という言い方があることも知っていると思います。

つまり、ある漢字を読むときに最初を音読み(カタカナで表示)で読み次を訓読み(ひらがなで表示)で読むのが「重箱読み」です。

例としては「台所(ダイどころ)」「団子(ダンご)」「役場(ヤクば)」などなどです。

 

そして「重箱(ジュウばこ)読み」の反対は「湯桶(ゆトウ)読み」です。

例としては「朝晩(あさバン)」「雨具(あまグ)」「夕刊(ゆうカン)」などなどです。

 

このように漢語(中国語)と和語(大和言葉)が混合して使われだしたのは15世紀の平安時代ころからといわれています。これが「湯桶文章」でそののち「湯桶言葉」「湯桶文字」になったようです。すなわちこの時代は現在の「音読み+訓読み」「訓読み+音読み」の両方が「湯桶読み」だったのです。

 

重箱読み」という言葉がでてくるのはもっとあとの19世紀ころになってからですが、そのときも「湯桶読み」と同じ意味で使われていました。

現在のように「重箱読み(音読み+訓読み)」と「湯桶読み(訓読み+音読み)」を区別したのはもっとあとの昭和10年ころからといわれてます。

 

なぜ「重箱読み」「湯桶読み」というのかですが、今でこそ「湯桶」は蕎麦やで見かけるくらいになりましたが、昔は「湯桶」は食事のあとに出すお湯をいれておいたもので食事には必需品でした。「重箱」と「湯桶」は今でいえば「弁当箱」と「水筒」のような関係だったのではないかといわれてます。現代人には難解でも当時の昔の人にはよくわかる言葉だったのかもしれません。

 

「湯桶(ゆトウ)」には食事の後のお湯入れ、のほかに「湯桶(ゆおけ)」という読み方もあります。この場合は①入浴、洗面のためのおけ②茶道で寒期にお客の手を温めるための湯をいれたおけ等の別の意味もあります。

中国から入ってきた漢字とそれまでの大和ことばを融合させた日本人先人の知恵に驚かされます。入試問題に出されるのは仕方のないことでしょうね。息子よ頑張れ!!

 

 

(薄化粧(うすゲショウ、湯桶読み)の女房が足早に脇をぬける)

(おれ)「どこ行くんだ?」

(女房 下を向いて)「ちょっとそこまで買い物よ」

(おれ 気重(キおも 重箱読み) 男か?)

 

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写真:湯桶

新聞の漢字の使い分け

新聞はそれなりに漢字の使い分けがあるそうです。

たとえば

「喉(のど)がかわく」の「かわく」は

「乾く」と「渇く」のどちらを使うかというと「渇く」です。

  「乾く」・・水分のない状態

  「渇く」・・生きていくのに必要な水がないこと

だそうです。それじゃ

「かわいた文体」の「かわいた」は

感情や潤いが必要なのないマイナスイメージに使うときは「渇いた」を、しかしプラスととらえれば「乾いた」もOKとか。

では

「夏のはじめ」の「はじめ」は「初め」「始め」のどっち?

この場合は「夏の初め」。

つまり

・スタートしたばかりの時期、時間には「初め」を使う。

  「初期」「当初」「年の初め」など

・動詞が転じた名詞として使う場合は「始め」を使う。

  「仕事始め」「事(こと)始め」「年の始めの行事」「年始(ねんし)」など。

 

ではでは少し難しい問題です。

「子供の名前をかたった詐欺(さぎ)」の「かたった」は

「語(かた)る」と「騙(かた)る」のどちら?

この場合は、相手に被害を与える悪意のある嘘(うそ)の意味だから「騙る」だと思いますが、正解はひらがなで「かたった」。なぜなら「騙る」の漢字は常用漢字にないからだそうです。これはあくまでも新聞の話ですがね。

 

 

(女房がそばを通る、何気なくつぶやく)

  「喉がかわいたな~。」(ビールが飲みたいの意味)

(女房、すぐに戻って)

  「あなた 風邪の兆候かも、これ張ったら(湿布薬)」

(おいおい、真面目なの、それともあてつけ?)

 

 

日の丸は何色?

今日は色の話です。

日本の国旗日の丸は白色と何色かご存知ですか?

「赤色(あかいろ)」ですか、いや違います。「紅色(べにいろ)」です。

 

1999年(平成11年)に制定された「国旗・国家法」によると国旗は

「縦横比(じゅうおうひ)を2対3、縦の長さの5分の3を直径とした円(日章、日輪)を描き、白地に紅色の日章とする。」が正式です。

ちなみに「白」は神聖、純潔を表し、「紅」は博愛、活力を表します。

 

「紅色(べにいろ)」とは紅花(べにばな)の汁で染めた鮮やかな赤色のことです。

 

紅花(べにばな)はキク科ベニバナ属の花で、原産はエジプトですが紀元4~5世紀ころに日本に来ました。平安時代まえから衣(ころも)を赤く染める染料として使われてきました。

紅花(べにばな)は毎年6~7月ころに黄色い花が咲きます。花の色素が99%が黄色の色素(しきそ)のためです。この花を収穫して乾燥し、何度も水にさらすことにより黄色の色素が水に溶けだし、残ったたった1%の赤色の色素が染物(そめもの)の原料となりました。先人の知恵はすごい!

 

あまりに手間ひまがかかるため、紅色の衣(ころも)を着ることができたのは身分の高い人だけだったようです。

神社の巫女が赤色のはかまを身に着けるのも関係があるのかも知れません。

またこの高価な「紅」は女性の口紅ともなりました。貝殻(かいがら)の中に塗布(とふ)された紅を小指ですいて唇にぬるしぐさは男心をくすぐったことでしょう。

 

源平合戦の壇ノ浦(だんのうら)の戦いで、源氏が掲げた旗は白地に赤の現在の日の丸で、一方の平家が掲げていたのは、赤地に白の日の丸でした。
もし、源平合戦で平家が勝っていれば、日本の国旗は赤地に白の日の丸になっていたかもしれないのです。おもしろいですね。

 

「赤」だけでも

「紅色(べにいろ)」・・あざやかな赤色

「紅赤(べにあか)」・・わずかに紫みを含んだ鮮やかな赤色

「紅緋(べにひ)」・・冴えた黄みの赤色

「金赤(きんあか)」・・あざやかな黄赤

などの種類ががあります。

ちなみに、日本航空の鶴のマークは「金赤」に近い「猩々緋(しょうじょうひ)」だそうです。(赤みの強い赤紫色(あかむらさきいろ))

 

赤色を見ただけでもいろいろな赤があります。これは日本の色彩文化の優れていることをあらわしていると私は思います。また色に対する日本人の繊細(せんさい)さとも言えるのかも知れません。

今日はこの辺で。

 

(女房が何気なくそばを通る)今日の口紅は濃いな?

(女房流し目)ぞくっ!今夜が怖い!

 

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